スプラトゥーン2は発売を延期するべきだった!ニンテンドースイッチの品薄は任天堂の怠慢なのか?
任天堂の新世代ハード「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」だが、2017年3月3日の発売からずっと、品薄状態が続いている。
かく言う私も、ニンテンドースイッチをまだ入手できていない。
2017年の6月22日に、任天堂側がサイトでお詫びをした。
「Nintendo Switch本体」品薄のお詫びとお知らせ|サポート情報|Nintendo
任天堂が予想していたよりも、本体がずっと売れたのだろう。
家電量販店で行われるニンテンドースイッチの抽選会に、3000人以上が行列をつくったというニュースも見た。
ただ、これは任天堂にとって「うれしい悲鳴」なのだろうか?
7月21日、今週末に、スイッチの目玉ソフトとも言える『スプラトゥーン2』が発売される。
しかし、スイッチを持っていない人は、発売日からプレイすることができないのだ。
スプラトゥーンは、フェスやアップデートなど、リアルタイムのイベントが楽しいゲームでもある。
スプラトゥーンが大好きであるにも関わらず、本体を持っていないばかりに、指をくわえて見ているしかない人もたくさんいるだろう。
そのような人は、ゲーム発売日直前で盛り上がっている人達を見るほど、悲しくて悔しくてどうしようもない気持ちになると思う。
今日Twitterをたまたま見ていて、ニンテンドースイッチを売ってくれるという詐欺に合って、3万円を騙し取られた人のつぶやきを見た。
TwitterではSwitchの品薄に絡んだ譲渡詐欺などが発生しているらしい。
このような品薄は、ハードメーカーでもありソフトメーカーでもある任天堂が、絶対にやってはいけないことの一つなのではないかと、私は思っている。
当然ながら、任天堂がこのような状況を望んだわけではないだろう。
一つでも多くのSwitchを製造して世に出したいと思っているはずだ。
工場を確保できない事情があるのか、ハイスピードで生産できない部品を使っているのか、詳細はわからない。
ただ、事実として、どうしても手に入れたいニンテンドースイッチが手に入らないという人達が、かつてないほど存在するのは確かなようだ。
プレイヤー同士がオンラインで繋がるリアルタイムのイベントが当然となった時代に、ナンバリングのキラーソフトが遊べない人が大量発生するというのは、任天堂の長い歴史の中でも初めてのことだ。
例えば、2006年の「Wii」も品薄ではあったが、同時発売のキラーソフト『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』は、前世代機の「ゲームキューブ」でも遊ぶことができた。
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』にしても、「WiiU」で同じ内容のものを遊ぶことができる。
しかし、『スプラトゥーン2』は、3000人が抽選に並ぶほど品薄の「ニンテンドースイッチ」でなければ遊ぶことができないのだ。
リアルタイムで『スプラトゥーン2』を遊べない人の落胆や悔しさは如何ほどのものだろうか?
#明日はイカだ
— ナモすけ (@dnm_b) 2017年7月19日
Switch難民に無慈悲なプロモーション pic.twitter.com/sM2dnwnN9d
もちろん、ハードの台数の調整というのは非常に難しいことだ。
過去には、バンダイが需要を見誤って「たまごっち」で大赤字を出したこともある。
しかし、だからと言って「無能」が許されるわけではない。多くの人が任天堂LOVEゆえに言説を捻じ曲げるが、間違った判断をしてしまったことは、疑いようがない。
ハッキリ言って、どう考えても現状は任天堂の無能である。
需要を読めなかった。適切な意思決定ができなかった。ただそれだけ。
普通に、単純に、純粋な無能である。
私は、日本の会社を見ていて、非常に優れたクリエイターは多いものの、経営者が無能だと感じることが多い。任天堂もその例に漏れないということだ。
しかし、スイッチの増産が間に合わなかったとしても、任天堂らしい解決策はあった。
それは、『スプラトゥーン2』の発売延期である。
スイッチが、『スプラトゥーン2』を切実に遊びたいと思っている人達に行き渡る期間まで、ソフトの発売を延期すればよかったのだ。
もし岩田社長が健在であれば、そのような判断を下したのではあるまいか。
もちろん、延期すればよかったというのは極端な意見ではあるが、延期とまではいかなくてとも、リアルタイムイベントである「フェス」は、多くの人にハードが行き渡るまでは開催を見送るのがよいのではないだろうか?
しかしここで、「前夜祭」という名のフェスまで開いてしまうのは、愚行としか言いようがない。
任天堂の美徳までもが失われる真の崩壊は、こういうところから始まるのだと思う。
盲目的なファンは、「なんか馬鹿なことを言ってるやつがいる」と私を非難するかもしれない。
しかし、そのような盲目の源泉となっているものが任天堂から失われていくのではないか、というのが、今回の主張の要点なのである。
そしてそれは、作品のクオリティの定価ではなく、経営判断による失敗から起こるのである。
いかにも日本企業らしい、「さもありなん」という顛末だ。
そういうものを私は、これまでのキャリアでいくつか見てきた。
もちろん、スプラトゥーン2が素晴らしいソフトであることを私は否定しない。
というより、今スグやりたくて仕方がない。
幸いにして私にはお金があるので、忸怩たる思いを抱きつつ、Amazonで転売屋からSwitchを買うことにした。
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2017/07/21
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