ドラマ『東京タラレバ娘』は男女ともに必見だと思いました【感想】
最近は日本のテレビドラマがアツいですね。
2016年の『逃げ恥』に続き、2017年は『東京タラレバ娘』が大ヒットしています。
私はどちらも毎週興味深く見させていただきました。
せっかくブログをやっていることもあり、「タラレバ」の何がスゴイのか、どうして「タラレバ」を見たほうがいいのか、ということを書いていきたいと思います。
東京タラレバ娘とは何か?
『東京タラレバ娘』は、原作は東村アキコが講談社「Kiss」で2014年から連載しているマンガです。
- 作者: 東村アキコ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/09/26
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私もドラマを見る前から原作のマンガをずっと読んでいたのですが、非常に人気があり、かつ優れた作品でした。
個人的にすごい作品だと思ったのは、原作の4巻あたりですかね。ネタバレになってしまうので詳しい内容は書きませんが、倫子の決断とか矜持みたいなものが強く現れている一方で、結婚という形で人生を決断することの難しさが表現されていて、なんとも言えず印象的でした。
とにかく、原作の東村アキコというのはすごい漫画家ですよ!
私の好みで言えば、自伝マンガ的なところもある『かくかくしかじか』も良いですね。
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話しが逸れました、『東京タラレバ娘』は原作が非常に面白い作品です。
エンタメ性とメッセージ性が両立したバランスの良さがあって、ドラマ決定も納得ですね。ドラマを見て気に入った方は、原作も読んでみるといいと思います。
ドラマ版の公式サイトはこちらになります。
東京タラレバ娘を見る方法(見逃し配信)
「Hulu」というサービスで見逃し配信がやっているので、見逃したり録画し忘れても見ることができます。
日本のフールーは日テレが買収したサービスなので、安心して視聴できます。
ちなみに、フールーでは「タラレバ娘」の他にも面白いドラマがたくさんあって、以前おすすめ海外ドラマの記事を書いたことがあるので紹介しておきますね。
ドラマ版はキャストがおかしい?
東京タラレバ娘のキャストが発表されたとき、「キャスト選びおかしいだろ!」という批判がたくさんありました。
そう思う人の気持ちは理解できます。
鎌田倫子
売れない脚本家で主人公の鎌田倫子をやるのが吉高由里子。『蛇にピアス』のときは金髪でヌードも披露してたのに、いいオンナになったものです。これくらい美人だったら、いくらでも求婚する男は現れそうですね。
山川香
ネイリストの山川香をやるのがモデルの榮倉奈々です。奔放な香のイメージと合っていると思います。それでも可愛すぎですね。こんな女性を男が放っておくわけないでしょう!
鳥居小雪
AKBでトップだった大島優子が、居酒屋で働く鳥居小雪の役を演じています。こう言っては失礼ですが、大島優子のブスなところがいい塩梅で役に結びついていると思います。それでもアンケート調査などでは、ゴツくて身長の高い小雪の役を大島優子に不満が大きい様子。個人的にはいい配役だと思うのですけどね。視聴率も上がりそうだし。
早坂哲郎
倫子にプロポーズしたことのある早坂哲郎は、現作とは年齢も立ち位置も少し変わっているのですが、基本的な役回りは一緒です。それにしても鈴木亮平って何でもこなせますねえ。
KEY
「タラレバ」のキー人物となるKEY(オヤジギャグ)ですが、イケメン俳優の坂口健太郎が演じています。イケメンには違いないのですが、あんまり金髪似合ってませんね。
芝川マミ
芝川マミ役はビリギャルの石川恋ちゃんが演じています。どうせなら映画のビリギャルも有村架純じゃなくて石川恋が演じれば良かったのではと思ってしまったり。しかし、これを言っちゃ悪いのですが、この娘あんまり笑顔が似合いませんね。ツンツンした表情の頃が好みでした。
タラレバ娘の改変点
原作の「タラレバ」は、主人公たちの年齢は33歳で、容姿も並程度です。
しかし、ドラマ版では、主人公たちの年齢は30歳と3歳も若くなり、しかも全員超美人に改変されています。
多くの人に受け入れられるドラマにするにあたって、原作の強すぎる毒を薄める必要があると、制作側は判断したのだと思います。私はそれが間違った判断だとは思いません。しかしそれを不満に思う原作ファンも少なからずいるでしょう。
吉高由里子と榮倉奈々と大島優子の3人が相席レストランに行って、どんな男性にも相手にされない……みたいなシーンがありましたが、そんなこと現実に起こるわけがありません!
実際は血眼になった男たちからアピールされるでしょう。おじさんもイッちゃうよ〜!
しかし、そんなことを言い出せば、『逃げるは恥だが役に立つ』で家事代行サービスとしてガッキーが来るなんてことはもっとありえないわけで、そこは突っ込むところではないように思います。
ドラマ制作者はしっかり考えて作っている
「ドラマ作った奴は原作を一度でも読んだのか?」と怒るファンの方は多いと思いますが、ちゃんと読みこんだ上で大衆に受け入れられるラインを見極めてるのだと思いますよ。
けっこうな手間と予算をかけて作るドラマでそんな適当なことをするわけがない。タラレバの3人は特に良い人選だと思います。
これまた残酷な話かもしれませんが、本当に33歳の冴えない女3人を主役にしたら、視聴率は確実に下がってしまうでしょう。
原作をあまり崩さずに、大衆の好みの配慮したギリギリの結果が、「吉高由里子・榮倉奈々・大島優子の30歳」だったのではないでしょうか。
東京タラレバ娘の見どころ
「好きになった人と付き合って結婚とか奇跡じゃん」と倫子が作中で何気なく呟いたセリフが刺さりますね。
こういうセリフに、色々と思うところのある人は多いと思います。既婚者である私もそうです。
結婚は人生の中で最大のイベントであり、さらに大学受験や就職活動のように、決まったルールやレギュレーションがありません。
個々人の考え方や意識に拠るところが大きく、だからこそ難しく、正解が無く、人々の関心が集まるのです。
人によって色んな結婚観があると思いますが、最終的に倫子達がどんな答えを見つけ出すのか……というのは、多くの女性にとって(男性にとっても)気になるものなのではないでしょうか?
私も40超えのおっさんながら、「タラレバ」に夢中になってしまっております。
「perfume」の主題歌「TOKYO GIRL」が良い
『モテキ』の映画版に「perfume」が出てきたシーンを思い出しました。
やっぱパフュームはいいですねえ。
公式サイトで、「あ〜ちゃん」と「かしゆか」と「のっち」がドラマについてコメントしていますね。
作中でも、とても良いタイミングで主題歌が流れてくるんです。
「逃げ恥」の人気の理由の一つは「恋ダンス」だと思うのですが、「タラレバダンス」は作らないのでしょうか……というのはさすがに安易すぎる発想ですね(笑い)。
東京タワーとコラボ
「タラレバ」は東京タワーとコラボしているらしいです。作中にも東京タワーが出てきます。
やっぱりテレビ局のつくるドラマは違いますね。スケールでかいです。
(画像は動画サイトHulu『東京タラレバ娘』のスクリーンショット)
東京タラレバ娘の感想
まだすべてを見終えているわけではないので、随時更新していきます。最終回の後には本格的に書きたいですね。
率直に思うのは、「何でも打ち明けられる親友がいるってステキなことやないですか」ということです。
倫子たち、男には恵まれていないかもしれないけど、少なくとも友達には恵まれていますよね。
東京タラレバ娘のあらすじ(ネタバレ無し)
30歳(原作では33歳)の主人公倫子と、友達の香と小雪が、「〜たら」とか「〜れば」とかぐちぐち言いながら繰り広げられる恋愛物語です。
と言っても、胸キュンするような恋愛ではなく、出産適齢期というシビアな現実と向き合う女性達のシビアな物語です。
ギャグありシリアスありで面白くまとめられていながら、メッセージ性は強烈です。
私は女性漫画家の中では、高橋留美子の次に東村アキコが好きなのですが、やはり優れた作家の才能を感じますよね。
『アラサーちゃん』などは、露骨に「女でありながら下品であること」を武器にしている感じがして、好きになれなかったのですが、『東京タラレバ娘』は漫画家としての確固たる技量を感じる秀作です。(ちなみに東村アキコ氏は、性格キツそうな顔ですが、美人漫画家として有名です。)
30代女子たちが「あーだこーだ」する話なので、わかりやすいストーリーの筋があるわけではないのですが、色々と紆余曲折を辿る感じになっています。
『東京タラレバ娘』のメッセージの重要さ
なぜ、男女ともに「タラレバ」を見たほうがいいのか、という話です。
あくまで私の個人的な意見であることにご留意ください。
テレビの影響力は強い
私は昔はテレビなどバカバカしくて見ないタイプの人間だったのですが、今は「世相がわかるので面白いね」くらいの気持ちで見ています。歳をとると丸くなるものですね。
「逃げ恥」が解呪した呪いを「タラレバ」がかけ直した……みたいなことを言われていますが、私はその呪いが必要なものであるとも思います。
以前、『ドラゴン桜』というドラマの影響で、地方から東大に入る子が増えたというニュースがありました。それだけテレビドラマというものの影響力は大きいのです。視聴率という数値は世帯ごとでもあるし、そこまで正確なものではないのは承知していますが、視聴率10%もあれば、300万〜500万人ほどは見ているのではないでしょうか?
ファンの人は気づきにくいかもしれませんが、一般的な知名度といった点では、人気のマンガよりも、不人気のドラマのほうが、ずっと見ている人の数は多いのです。
だからこそ、テレビ局のドラマというものは、時代を作り上げる影響力があるのです。
タラレバの影響力
「タラレバ」を見た女性は、自分の中の危機感をより強めるのではないでしょうか?
タラレバの持つメッセージは優しくはありません。しかし、今の多くの女性にとって必要なものなのだとも思います。
かつて、女性はクリスマスケーキと言われてきました。24歳(日)が適齢期で、25歳(日)からは売れ残り……と。
24、25という数字は時代を感じさせ、現在の基準で言うならば31から33ほどでしょう。これは、ある種差別的ではあるのですが、期限があるというのは大事なことです。
仮に優秀な人間であっても、ほとんどの場合、「締切」が決まっていなければ何もすることができないのです。
編集者の知り合いは、漫画雑誌の連載やコミケなどのイベントの大事な役割は、クリエイターに「締切」を与えることだと言っていました。
それほどまでに、人は締切が与えられないと何もできない生物だということです。
だから、女は25までに結婚しろという「締切」を認識させるような言説は、もちろん非難されてしかるべきだし、横暴極まりないものだったのですが、一方で親切でもあったのです。
厳しくても必要なメッセージ
「あなたは結婚なんてせずに自由に生きていいんだよ?」と言う人が、それを真に受けた人のその後の人生を保障してくれるわけではありません。
私がこの歳になって思うのは、人間の合理的な判断なんてカスみたいなものだということです。どれだけ頭が良い人でもたいして差はありません。
一部の、人を煽ることで飯を食っている人間だけが、「合理的に判断をすればすべてが上手く行く」みたいな考えを振りまいています。
「一人で幸せに生きていくなんて言わずに30歳になったら婚活して、遅くても33までには結婚しろ!」と言うのは、公に発言すれば確実に大バッシングですが、ある種の親切さがこもった発言でもあるのです。
そのようなメッセージを、面白おかしいドラマにする形で伝える東村アキコの手腕には脱帽です。
「締切」があるのは女性だけではない。
ちなみに、これは女性のみならず男性もそうです。いや、男性こそ「タラレバ」を刮目して見るべきなのです。
芸能界は、知名度も金も権力も持っている男が多く、綺麗どころが集められる傾向にあります。よって、高齢男性と若い女性が結婚するニュースが多めです。しかし一般人にそういうことはあり得ません。
ほとんどの場合は、同学年の冴えない女と結婚するのです。その自覚がなければなりません。
男性の場合、自分まだリミットが先だから……と考えてしまって、どんどん気持ち悪いおじさんになっていき、手の施しようがなくなる、というケースが多いように思います。
孤独というのは悲惨なものです。
タラレバ娘達は、まだ期限の境目でもったいぶっている可愛さがあって、メッセージ性が薄まりエンタメ性が押し出されているので、万人が面白く見れる良いドラマなのかな、と思います。
しかし、「タラレバ」は、「逃げ恥」が見せた妄想的な甘い夢から目を覚まさせるような力のあるドラマで、ここらへんのテレビ局の時代感覚というかセンスは、なんだかんだ言って見事だと思います。
おわりに
もちろんドラマはこれからもずっと続いていくので、新しい話数が更新されるたびに、この記事に追記をしたり、書き足したりしていこうと思っています。
お読みいただきありがとうございました。